CPUって何?
CPUについて調べたけど、専門用語が多くてわからない!
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
・CPUとは
・CPUの2大メーカー”Intel”と”AMD”
・CPUの性能の見方
・内臓グラフィックス(IGPU)について
・自分のパソコンのCPU確認方法
本記事の信用性
本記事を書いている僕は、自作PC歴10年。現在はWindowsの自作PCとノートパソコンのMacbook Proを愛用しています。
最近は愛用の自作PCでSteamのゲームとAPEXをプレイしています。
初めて自作PCを組み立てようと調べ物をすると、今までに見たこともない単語が山盛り出てきますよね?
僕も初めて自作PCを作ったときは、本屋へ行き雑誌などで情報を調べまくりました。
CPUと聞くと、初心者の人でも一度は聞いたことのある単語ではないでしょうか。
しかし、「CPUは〇〇である!」と断定出来るほど簡単なパーツではありません。
今回はそんなCPUの性能や動作に関わる難しいところを、初心者にも分かりやすいように解説します。
CPUとは?CPUはコンピュータの頭脳
CPUは(Central Processing Unit)の略で、日本語で(中央演算処理装置)といいます。
CPUはパソコン内でデータの処理や計算を行っており、他のハードウェアやソフトウェアと連携してパソコン全体の動作を制御しています。
例えばブラウザでWebページを表示する場合、CPUはWebページのデータを取得し、解析、画面に表示するなどの処理をしているのです。
つまり、CPUは人間で言うところの“脳”の様な働きをしているパーツといえます。
“脳”に例えるとCPUの大切さが分かると思います。手足の性能がどれだけ良くても、それを操作する”脳”がポンコツでは意味がありませんよね?
CPUはパソコンの性能に大きな影響を与えるパーツなのです。
CPUの2大メーカー”Intel”と”AMD”
CPUのメーカーは”Intel”と”AMD”が圧倒的シェアを誇っており、大抵のパソコンのCPUには、このどちらかのメーカーのものが使用されています。
製品名
Intel製品
Intel製のCPUには大きく下記の3つのシリーズがあり、基本的に上から順に性能が高くなっています。
・Core iシリーズ
・Pentium
・Celeron
“Core 2 Quad”や”Core 2 Duo”という名前を聞いたことがある人もいるかも知れませんが、これらはCore i シリーズの旧型だと思ってください。
Core iシリーズの中にも種類があり、数字が大きほど性能が高くなっています。
AMD製品
AMD製のCPUは、大きく2シリーズあります。しかし最近は殆どRyzenシリーズが主流となっています。
・Ryzen
・Athlon
AMD製品のRyzenシリーズにも種類があり、Intel製品と同様に数字が大きほど性能が高くなっています。
世代
CPUには”世代”という概念があり、アーキテクチャや性能の進化に基づいて分類されています。
数字が大きい方が新しい世代ですが、Intel製品とAMD製品では世代の数や区分けが変わってくるので注意が必要です。
Intel製品は第13世代、AMD製品は第5世代が最新となっています。
Intel製品
下記は、Intel製CPUの世代とアーキテクチャ、対応CPUソケットの表です
世代 | 登場年 | 開発コードネーム | 対応CPUソケット |
第1世代 | 2008年 | Nehalem | LGA1156 |
第2世代 | 2011年 | Sandy Bridge | LGA1155 |
第3世代 | 2012年 | Lvy Bridge | LGA1155 |
第4世代 | 2013年 | Haswell | LGA1150 |
新第4世代 | 2014年 | Haswell Refresh | LGA1150 |
第5世代 | 2015年 | Broadwell | LGA1150 |
第6世代 | 2015年 | Skylake | LGA1151 |
第7世代 | 2017年 | Kaby Lake | LGA1151 |
第8世代 | 2017年 | Coffee Lake | LGA1151v2 |
第9世代 | 2018年 | Coffee Lake-R | LGA1151v2 |
第10世代 | 2020年 | Comet Lake-S | LGA1200 |
第11世代 | 2021年 | Rocket Lake-S | LGA1200 |
第12世代 | 2021年 | Alder Lake-S | LGA1700 |
第13世代 | 2022年 | Raptor Lake-S | LGA1700 |
CPUをマザーボードに取付ける際に使用する、CPUソケットの型の名称です。これが違うもの同士は取付けられません。
Intel製CPUの世代は、プロセッサのアーキテクチャや性能の進化に基づいて分類されています。
現在は第13世代が最新版となっていますが、ほぼ一年に一回のペースで更新されています。
AMD製品
IntelのCPUの世代は、プロセッサのアーキテクチャや性能の進化に基づいて分類されています。
世代 | 登場年 | アーキテクチャ | 開発コードネーム |
第1世代 | 2017年 | Zen | Whitehaven/Summit Ridge/Raven Ridge |
第2世代 | 2018年 | Zen+ | Colfax/Pinnacle Ridge/Picasso |
第3世代 | 2019年 | Zen2 | Matisse/Castle Peak Renoir/Lucienne |
第4世代 | 2020年 | Zen3 | Vermeer/Cezanne |
第5世代 | 2021年 | Zen4 | Raphael |
アーキテクチャには多くの意味がありますが、ここでいうアーキテクチャはCPUの内部設計のようなものです。
AMD製CPUの世代もIntel製品同様、プロセッサのアーキテクチャに基づいて分類されています。
現在は第5世代が最新版となっており、こちらもIntel製品同様ほぼ一年に一回のペースで更新されています。
CPUの型番の読み方
CPUの型番はIntel製品もAMD製品も数字とアルファベットの羅列で、非常に読みづらいです。
長くなるので詳しい解説は別記事でしますが、ここでは簡単に世代に関する型番の読み方を解説いたします。
Intel製品
Core iシリーズ
Intel Core iシリーズCPUの世代は、CPUの型番の最初の数字で判断できます。
世代 | 読み方 | 型番例 |
第1世代 | “Core ix-“に続く数字が3桁 | Core i5 760 , Core i3 560 |
第2世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が2000番台 | Core i7-2700K , Core i5-2500K |
第3世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が3000番台 | Core i7-3770 , Core i5-3570 |
第4世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が4000番台 | Core i7 4770 , Core i3 4340 |
新第4世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が4000番台で 下二桁が”第4世代”に比べ大きい | Core i7 4790 , Core i3 4360 |
第5世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が5000番台 | Core i7-5820K , Core i5-5250U |
第6世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が6000番台 | Core i7-6700 , Core i5-6500 |
第7世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が7000番台 | Core i7-7700 , Core i5-7500 |
第8世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が8000番台 | Core i7-8700 , Core i5-8500 |
第9世代 | “Core ix-“に続く4桁の数字が9000番台 | Core i7-9700 , Core i5-9400 |
第10世代 | “Core ix-“に続く5桁の数字が10000番台 | Core i7-10700 , Core i5-10400 |
第11世代 | “Core ix-“に続く5桁の数字が11000番台 | Core i7-11700 , Core i5-11500 |
第12世代 | “Core ix-“に続く5桁の数字が12000番台 | Core i7-12700 , Core i5-12500 |
第13世代 | “Core ix-“に続く5桁の数字が13000番台 | Core i7-13700 , Core i5-13400 |
分かりづらいですが、世代の見方自体はルールさえ知っていれば簡単に判別することができます。
Pentium/Celeron
PentiumとCeleronに関しては世代の読み方に規則性がなく、さらに分かりづらくなっています。
世代 | 型番例(Pentium) | 型番例(Celeron) |
第1世代 | Pentium G6950 | 無し |
第2世代 | Pentium G650 | Celeron G550 |
第3世代 | Pentium G2030 | Celeron G1630 |
第4世代 | Pentium G3220 | Celeron G1830 |
新第4世代 | Pentium G3220 | Celeron G1840 |
第5世代 | 無し | 無し |
第6世代 | Pentium G4520 | Celeron G3900 |
第7世代 | Pentium G4600 | Celeron G3950 |
第8世代 | Pentium G5400 | Celeron 4205U |
第9世代 | Pentium G5420 | Celeron G4950 |
第10世代 | Pentium G6400 | Celeron 5305U |
第11世代 | 無し | Celeron 6305 |
第12世代 | Pentium G7400 | Celeron 7300 |
第13世代 | 無し | 無し |
PentiumとCeleronのCPUはそもそも世代にCPUがないこともあります。
AMD製品
Ryzenシリーズ
Ryzenシリーズの世代の見分け方はIntel Core iシリーズとほとんど同じですが、第4世代と第5世代のみ注意が必要です。
世代 | 読み方 | 型番例 |
第1世代 | “Ryzen x”に続く4桁の数字が1000番台 | Ryzen 5 1600 , Ryzen 7 1700 |
第2世代 | “Ryzen x”に続く4桁の数字が2000番台 | Ryzen 5 2600 , Ryzen 7 2700 |
第3世代 | “Ryzen x”に続く4桁の数字が3000番台 | Ryzen 5 3600 , Ryzen 7 3700X |
第4世代 | “Ryzen x”に続く4桁の数字が5000番台 | Ryzen 5 5600X , Ryzen 7 5700X |
第5世代 | “Ryzen x”に続く4桁の数字が7000番台 | Ryzen 9 7950X , Ryzen 7 7700X |
第3世代までは、Intel Core iシリーズと同じ法則で型番が読めるのですが、第4世代で急に5000番台に。第5世代で7000番台になるので注意して下さい。
なんでそんな混乱するような事するの?
AMDはグラフィック機能の有無で”CPU””APU”と呼び方を変えてるからなんだけど、、、
余計に混乱してきた、、、
く、詳しくはまた別の記事で解説するね!
AMDにはRyzenシリーズ他に”第7世代Aシリーズ”と呼ばれるシリーズもあり、ゲームが出来るほどのグラフィックにも対応しています。
CPUの性能の見方
CPUのスペックを調べると、見たことのない言葉がたくさんあると思いますが、CPUの性能は主に下記の3要素で決まります。
・クロック周波数(Clock Speed)
・コア数(Number of Cores)
・スレッド数(Number of Threads)
・キャッシュメモリ(Cache Memory)
一つ一つ見ていきましょう
クロック周波数(Clock Speed)
クロック信号は、CPU内で信号をやり取りするタイミングを決めてくれる信号のようなものです。
そのクロック信号が“一秒間に何回ON・OFFを繰り返すか”を表すのがクロック周波数です。
なのでこのクロック周波数は、CPU性能のうち”CPUが命令を実行する速度”を表しており、クロック周波数の高いCPUは命令処理が高速と言えます。
例えば、4.0 GHz(ギガヘルツ)のクロック周波数を持つCPUは、1秒間に40億回の命令を実行できます。
クロック周波数については下記の記事で具体的な例を用いて詳細に解説しているので、気になる方はぜひ読んでください。
コア数(Number of Cores)
コア数は、CPU内にある独立した処理ユニット(コア)の数を意味します。
コアは、命令を受け取り、演算を行い、データを処理します。つまり、CPUの中にある”脳”のようなものです。
複数のコアがある場合、複数の処理を同時に分担してできるため、PC性能向上が期待できます。
例えば、4コアのCPUは同時に4つのタスクを。8コアのCPUは同時に4つのタスクを処理することができます。
これにより、複数のアプリケーションを同時に実行する場合や、重い処理を行う場合に効果があります。
ただし、コア数が多いほど必ずしも性能が向上するわけではありません。
ソフトウェアやアプリケーションが複数のコアを効果的に活用できるかどうかも重要なのです。
コアについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
スレッド数(Number of Threads)
スレッド数は、CPUが同時に処理できるスレッドの数をさします。
スレッドとは、”一つのコアができる仕事の量“のようなものです。
つまりマルチスレッドとは一つのコアが2つ以上の処理を同時にすることができる能力を指し、疑似的にコアが増えたような性能を見せてくれるのです。
例えば、4コア8スレッドのCPUは、コアは4つしかないのに8つの処理を同時にすることができます。
ただし、スレッド数もコア数と同様、多いほど必ずしも性能が向上するわけではありません。
ソフトウェアやアプリケーションが複数のコアを効果的に活用できるかどうかも重要なのです。
スレッドについてもこちらの記事で詳しく解説しています。
キャッシュメモリ(Cache Memory)
キャッシュメモリはCPU内に存在する高速なメモリで、データや命令の一時的な格納に使用されます。
CPUは、データをキャッシュメモリから取得する速度が非常に高速であるため、データの再利用やアクセスの高速化が可能です。
キャッシュメモリは容量と速度によって分類されますが、より大きな容量と高速なキャッシュメモリがあるほど、CPUの処理速度が向上します。
キャッシュメモリはCPU内部の階層的な構造で存在し、
- レベル1キャッシュ(L1キャッシュ)
- レベル2キャッシュ(L2キャッシュ)
- レベル3キャッシュ(L3キャッシュ)
などと呼ばれています。
内臓グラフィックス(IGPU)について
近年、殆どのCPUには”内蔵グラフィックス(IGPU)”が搭載されています。
内蔵グラフィックス(IGPU)は、CPUチップ内部に組み込まれたグラフィックスプロセッサのことを指します。
この”内蔵グラフィックス”のおかげで、パソコンにグラフィックスカードを追加せずとも、ビデオ表示やグラフィックス関連の処理をすることができるのです。
内蔵グラフィックスの利点として、
- 追加のグラフィックスカードを購入する必要がない
- 省電力である
ことがあげられますが、性能や拡張性の面では、独立したグラフィックスカードに比べてかなりスペックは見劣りします。
つまり、内蔵グラフィックスはYoutubeなどの動画視聴や基本的なグラフィックス処理に適しています。
3Dゲームなどの、より高度なグラフィック処理を必要とする場合は、独立したグラフィックカードを導入することをおすすめします。
自分のパソコンのCPU確認方法
自分のパソコンのCPUを確認したいときはまず、スタートメニューから設定を開き、「システム」をクリックしましょう。
次に左下の「詳細情報」をクリック。赤枠の「プロセッサ」部分にCPUの情報が書いてあります。
これらの要素は、CPUの性能を決定する上で重要です。しかし、単独の要素だけで性能を判断するのは難しいため、実際のベンチマークテストや使用目的に基づいた総合的な評価が重要です。
まとめ:CPUはPCの頭脳にあたるパーツ
今回は、CPUの役割や性能、メーカーの違いについて解説しました。
CPUはパソコンの頭脳にあたるパーツで、以下の4つの性能指標があります。
1.クロック周波数
2.コア数
3.スレッド数
4.キャッシュメモリ
CPUはパソコンのスペックを決める、重要なパーツです。
CPUやパソコンを選ぶときは、スペックを理解して選びましょう。
自作PCを組み立てるとなると、もっと色々なパーツについての知識が必要になるはずです。
このブログでは自作PCに関する様々な知識を発信しているので、他の記事もぜひ読んでみて下さい。