CPUのコアって何?
コアとスレッドって大きいとどうなるの?
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
・「コア」「スレッド」とは何か
・コア数、スレッド数とCPUの処理能力の関係
・コア数、スレッド数を活かせない作業
本記事の信用性
本記事を書いている僕は、自作PC歴10年。現在はWindowsの自作PCとノートパソコンのMacbook Proを愛用しています。
最近は愛用の自作PCでSteamのゲームとAPEXをプレイしています。
初めて自作PCを組み立てようと調べ物をすると、今までに見たこともない単語が山盛り出てきますよね?
僕も初めて自作PCを作ったときは、本屋へ行き雑誌などで情報を調べまくりました。
パソコンやCPUのスペックを調べるときに必ず見る“コア数”と“スレッド数”ですが、実際に何なのかと聞かれると答えられない方は多いと思います。
数字が大きいと性能が高い。っていうのはなんとなく分かるんだけど、、、
実際に何が変わるのか。をふまえて解説するよ
コアとはCPUの中の”脳”
CPUは命令の送受信や演算などを行うため、パソコンの”脳”と表されることが多いPCパーツです。
“コア”はそんなCPUの核となる内部回路のことを指し、言うなればCPU内の”脳”のようなものになります。
信号を受け取ったCPUという名の箱の中で、実際はコアが命令を考え、コアが計算を行うというわけです。
CPUの中にCPUがあるみたいだね
コア数の増加と呼び名の変化
CPUは搭載しているコアの数で呼び方が変わります。
シングルコア
CPUが発売された当初は、”1つのCPUにつき1コア”が主流でした。
1つのCPUにつき複数のコアを入れる技術がなかったのもありますが、そこまでの性能が必要なかったのです。
このCPUとコアの構成を“シングルコア”と呼びます。イメージはこんな感じ。
デュアルコア
しかし技術の進化とともにCPUへの負荷は増えていき、2005年4月19日にIntelが世界初の“1つのCPUに2コア”を搭載するCPU”Pentium Extreme Edition”を発表しました。
最近主流のCPU”core iシリーズ”の一つ、”Core 2 Duo”も2コアのCPUに該当します。
このCPUとコアの構成を“デュアルコア”と呼び、イメージはこんな感じです。
クアッドコア
2006年11月15日にはIntelがこれまた世界初の“1つのCPUに4コア”を搭載するCPU”Core 2 Extreme”を発表した。
デュアルコアで紹介した”Core 2 Duo”の後継モデル”Core 2 Quad”もこの4コアのCPUに該当します。
このCPUとコアの構成を“クアッドコア”と呼び、イメージはこんな感じです。
マルチコア
その後も時代の流れ、技術の開発とともにコア数は増加の一途をたどっており、2023年現在では、64個のコア数をも誇るCPUが販売されています。
64コア!?聞いたこともないよ!
一般向けというよりはクリエイターや開発者向けだね
参考までに64コアのCPUイメージを貼っておきますが、どれだけすごいコア数なのかが分かると思います。
一般に出回っているCPUでも、14コアや16、24コアなど、どんどんコア数は増加しています。
コア数の増加とともに呼ばれ方も変わり、2つ以上コアを搭載するCPUをまとめて”マルチコア”と呼ぶようになりました。
ではなぜメーカーは、こんなにコア数を増やしかがるのでしょうか。
その答えは、CPUのコア数が増えるとCPUの処理能力は向上するから。なんですが、もっというと、CPUのコア数を増やす行為が一番簡単に性能をあげられるからなんです。
コア数とCPUの処理能力の関係
では、なぜコア数が増えるとCPUの性能が上がるのでしょうか。
先程のCPUのイラストを交えて解説します。
まず、シングルコアを見てみましょう。コアはCPU内の”脳”みたいなものと上で書きましたが、シングルコアのCPUは考える”脳”が一つしかありません。
なので人間と同じ用に、一つの脳で処理できる情報には限界があります。
昔はそれでも動作する様な、動作の軽いソフトばかりだったので特に問題はなかったんです。
しかし時代は進み、機能の多い動作の重たいソフトが開発されると共に、一つの作業をしている間は他の作業は待ち状態になるようになりました。
これではパソコンの動作が重くなり、不満がでるようになりました。
ではこの状態のシングルコアのCPUをマルチコアにするとどうなるのでしょうか。クアッドコアを例に見てみましょう。
クアッドコアということは、コアが4つあるということです。4つのコアがあるCPUは、作業をそれぞれ分担し始めます。
結果、それぞれのコアにかかる負担が少なくなりパソコンの動作が軽くなる=”CPUの性能が上がった”といえるわけです。
マルチコアを活かせない時がある
じゃあコア数が多ければ多いほどパソコンは速くなるんだね!?
実は、必ずしもそうとは言い切れないんだよ
上での説明したように多くの場合、コア数が多ければ多いほどCPUの性能はあがります。
しかし必ずパソコンの動作にいい影響を与えるかというと、一概には言えないのです。
これから、マルチコアであっても性能を活かせない場面を解説します。
ソフトウェアや処理内容がマルチコアに対応していない
これだけマルチコアのCPUが世に浸透していても、未だにマルチコアに対応していないソフトや処理があります。
マルチコア対応の作業は、暇なコアが同じ作業を手伝ってくれます。
しかしマルチコア非対応の作業をする際は、たとえ暇なコアがあったとしても、一つのコアがやりきるしかありません。
こういった作業だけをするときは、マルチコアは意味のない存在となってしまうのです。
作業負荷が軽すぎる
作業負荷が軽い場合も同様です。
二人でやるまでもない作業だけをするときは、暇なコアが居たとしても手伝いません。
人間が何かをするときと同じで、頼むよりやった方が早いこともあるのです。
マルチコアに向いている作業
じゃあ逆に、マルチコアに向いている作業ってあるの?
もちろん、マルチコアに向いている処理もあります。例えば、ゲームやCGのレタリング作業、動画のエンコードなどがあげられます。
これらの処理は一つの作業を複数のコアで並列して作業ができます。
“動画のエンコード”の例で解説します。例えば、60fps(1秒で60枚の画像)で10分の動画をエンコードしたとします。
その時の作業量は、60(fps)×60(秒)×10(分)で画像約36000枚分の作業量になります。
これをシングルコアのCPUで作業すると、一つのコアで36000枚分のデータを処理しないといけません。
しかし、これがクアッドコアのCPUだったら、1コアあたりの作業量は9000枚まで現象します。
この差は、エンコードにかかる時間に換算するとかなり大きな差になります。
確かにこれはコア数が多ければ多いほど有利そうだね!
“スレッド”はコアができる仕事の数のこと
コアと一緒に書いてあるスレッドはどういう意味なの?
CPUの性能欄には”コア”と共に必ず”スレッド数”も書いてあります。
スレッドの意味は、先程の”コア”を理解できたなら簡単に理解できると思います。
先程「複数のコアがあると、分担して作業ができる」と書きましたが、スレッドが多いと一つのコアで複数の作業が出来るんです。
イラストで解説します。
例えば”4コア4スレッド”のCPUと”4コア8スレッド”のCPUがあったとします。
4コア4スレッドのCPUは、「コアの数=コアが出来る仕事の数」なので、”コア”の説明と同じ様に下図のようになります。
従来どおりの作業分担で、コア数を超える作業は待ち状態になります。
4コア8スレッドのCPUは、コアが出来る仕事の数がコア数の2倍です。つまり、1コアあたり2つの作業をできる様になるんです。
コア数は同じなのに、できることが倍になるの!?
一見そう見えるけど、実は処理の負荷によるんだよ。
人間も、2つ同時に出来る作業と1つずつ集中しながらじゃないとできない作業がありますよね?
CPUのコアも同じで、1コアに2スレッドの能力があったとしても、処理の重たい複雑な作業は同時に一つしかできません。
なので”4コア4スレッド”のCPUと”2コア4スレッド”のCPUでは、一見同じ様に見えても”4コア4スレッド”の方が性能は高くなるんです。
まとめ:コアとスレッドはCPU処理能力に直結する
今回は、コアとスレッドの意味とCPU性能への影響について解説しました。
・コアは基本的に多いほどCPUの処理能力は上がる
・スレッドも基本的に多いとCPUの処理能力は上がる
・マルチコアもマルチスレッドも、ソフトウェアが対応していないと意味がない
コアとスレッドはCPUの処理能力に直結する大切な性能指標の一つです。
しかし、あくまで”指標の一つ”だということを忘れないで下さい。
作業によってはCPUの“クロック数”がものをいうこともあります。
クロック数については下記の記事を見てください。
また、「CPUとは何か?」「CPUメーカー」などCPUについて詳細に解説している記事はこちらです。
自作PCを組み立てたり、パソコンを選んだりするとなると、もっと色々なパーツについての知識が必要になるはずです。
このブログでは自作PCを含むパソコンに関する様々な知識を発信しているので、他の記事もぜひ読んでみて下さい。